夏 |
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生々と切り株にほふ雲の峰 『雲の峰』 |
乳母車夏の怒濤によこむきに 『夏怒涛』なつどとう |
炎天の梯子昏きにかつぎいる 『炎天』 梯子(はしご)昏き(くらき) |
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 『罌粟の花』けし 芥子 |
濃き墨のかわきやすさよ青嵐 『青嵐』夏嵐 |
更衣水にうつりていそぎつつ 『更衣』ころもがえ |
八方へゆきたし青田の中に立つ 『青田』 |
日を射よと草矢もつ子をそゝのかす 『草矢』 |
秋 |
菊白く死の髪豊かなるかなし 『菊』 |
椎の実の見えざれど竿打てば落つ 『椎の実』 |
木の実落つわかれの言葉短くも 『木の実』 |
星空へ店より林檎あふれをり 『林檎』 |
白桃に入れし刃先の種を割る 『桃』 |
吾に近き波はいそげり秋の川 『秋の川』 |
『』 |
『』 |
『』 |
『』 |
橋本多佳子の俳句一覧 読み方・季語 貫田峰
