春
永き日のにはとり柵を越えにけり
奥津城に犬を葬る二月かな
おくつきにいぬをほうむるにがつかな
卒業の兄と来てゐる堤かな
汽車見えてやがて失せたる田打かな
『あ』行
あなたなる夜雨の葛のあなたかな
一片のパセリ掃かるゝ暖炉かな
うまや路や松のはろかに狂ひ凧
『か』行
串竹にきしりてもげし目刺かな
苔の雨かへるでの花いづこゆか
『さ』行
春雪や学期も末の苜蓿
春愁や草の柔毛のいちしるく
『た』行
椿落ちて色うしなひぬたちどころ
芝不器男 ギャ句゛
研ぎあげて干す鉞や雪解宿
芝不器男 ギャ句゛
『は』行
筆始歌仙ひそめくけしきかな
芝不器男 ギャ句゛
ふるさとや石垣歯朶に春の月
芝不器男 ギャ句゛
『ま』行
町空のくらき氷雨や白魚売
芝不器男 ギャ句゛
みじろぎにきしむ木椅子や秋日和
芝不器男 ギャ句゛
『や』行
山焼くやひそめきいでし傍の山
芝不器男 ギャ句゛
春 |
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『』 |
『』 |
秋 |
銀杏にちりぢりの空暮にけり 『銀杏』 |
泥濘におどろが影やきりぎりす 『きりぎりす』 |
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