三夏 |
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『夏』 夏真昼死は半眼に人を見る 飯田蛇笏 算術の少年しのび泣けり夏 西東三鬼 |
『暑き日』 暑き日を海にいれたり最上川 松尾芭蕉 暑き日や竹に雀の往き来まで 加賀千代女 |
『涼し』 大の字に寝て涼しさよ淋しさよ 小林一茶 涼しさを我宿にしてねまる也 松尾芭蕉 |
『短夜』 短夜や朝日にあまる鶏の声 加賀千代女 短夜や枕にちかき銀屏風 与謝蕪村 |
初夏 |
『五月』 藍々と五月の穂高雲を出づ 飯田蛇笏 みどり子の頬突く五月の波止場にて 西東三鬼 |
『薄暑』 笋の皮の流るる薄暑かな 芥川龍之介 後架にも竹の葉降りて薄暑かな 飯田蛇笏 |
『麦の秋』 麦の秋老婆遠方より来る 正岡子規 精錬所もうしろに見えて麦の秋 河東碧梧桐 |
仲夏 |
『六月』 六月や峯に雲置くあらし山 松尾芭蕉 六月をきれいな風の吹くことよ 正岡子規 |
『梅雨の入り』梅雨入 ついり 今年は時序の正しき梅雨の入り 正岡子規 月いでて見えわたりたる梅雨入かな 飯田蛇笏 |
『半夏生』 風鈴の夜陰に鳴りて半夏かな 飯田蛇笏 |
晩夏 |
『大暑』 兎も片耳垂るる大暑かな 芥川龍之介 足袋白く埃をさけつ大暑かな 室生犀星 |
『夜の秋』 涼しさの肌に手を置き夜の秋 高浜虚子 中年や独語おどろく夜の秋 西東三鬼 |
『秋近し』 売り値待つ繭の主や秋近き 河東碧梧桐 秋近や落葉松うかぶ風呂の中 室生犀星 |
夏の季語一覧(時候 )貫田峰俳句 歳時記
